多面指しと必須アイテム

「3時間50分の間に、35人の子供たちにすべて指導対局してください。」
こういうのを無理筋という。

将棋教室の申し込み希望者全員にということらしい。

さらに、指し終わった後、35人にミニ賞状のようなものにひとことコメントみたいなのを書いてあげて欲しいとも依頼される。

多面指しで指すということと、その流れを切って時々文字を書くということによるロスタイムを試算すると40分から80分となる。
食事のバイキングで食べきれない食べ物をお皿に盛るようなお話と感じる。

まだ打ち合わせの電話の段階だったが、無理筋気味な依頼の実現のために、いくつかのことをお願いした。

◎ミニ賞状のようなものはあきらめていただく。その代わりに必ず終局後は1分前後のポイントの感想戦を口頭でする。特に長所や良かった点を取り上げるようにする。
◎ほかの生徒さんよりも、長期戦になった対局は、判定にて終局して終える。
◎手合割は迷ったら必ず下手に有利でラクな手合を選択していただく。(少しでも下手に楽しんでもらって、できれば勝ちかまたは勝ちそうな局面を迎えてほしいため。)
◎35人の順番は、できる限り棋力順にしていただく。(二枚落と八枚落が混在するデコボコ手合いの多面指しよりも同棋力同手合いが固まるほうが、リズム良く進めやすいのがその理由。)

本日2月11日月曜日に、岐阜県大垣市の西濃ジュニア支部・神戸(ごうど)こども将棋教室にて本番。
小学校低学年で挑戦してくれるチャレンジャーが多かった。

指導対局開始前に、希望者の多い多面指しの時には、私が必ずお願いして準備していただく、必須アイテムも用意して開始。

棋力順で八枚落中心の六面指しで開始。
開始時刻を控えていただいて、決まった時間経過したら教えていただいて、私が判定するということをする。
判定率は15パーセント前後。下手優勢判定なども。

できる限りのハイスピードで、さらに終局後のポイント解説も必ず入れて対局終了。
その子の実力通りや実力以上の素晴らしい手を指されて、見事勝利されたり、もう少しで勝てそうな局面まで持っていった子も少なくなかった。

終了予定時刻を予想どおりオーバーしたものの、ご依頼の六面指し35局を終えた。
準備段階での提案やお願いを受け入れていただけたことがやはりとても大きかったと思った。

多面指し指導対局棋士にとって、特に私にとっての必須アイテムをご紹介する。
たぶんもう十数回そのアイテムを使って多面指しをおこなっているはず。

それは「キャスター(タイヤ)付き椅子」
3時間以上の六面指し以上の場合、立って指したり、固定椅子で指すのに比べてとても大きな違いがある。

※将棋教室の指導員の先生に「ブログに書かせてもらいます。」と打診されて了承させていただいたので、教室でご指導にたずさわられていらっしゃる方々のお役に立つようなことも、もしかしたらあるかもしれないと思い、まだ肩こりは残るものの、先手を取って、ここに書かせていただくことに致しました。【2019年 2月11日午後11時 記】

神戸(ごうど)こども将棋教室ブログ
https://blog.goo.ne.jp/godo-shogi

神崎健二八段指導対局
https://blog.goo.ne.jp/godo-shogi/e/c89769064c4205b54b4677127926959a