拾いそこなう

昨日の7日は対局。
C1順位戦で長沼六段戦。
後手が私。長い地味な駒組み。それでも辛抱が足りなかった。
もっと仕掛けを与えない受け重視の駒組みをめざすべきだった。
夕食休憩直後。隣の、窪田五段―山崎六段戦の終盤戦があまりにもハイスピードで進み、大きな駒音。隣の将棋もかなり考えてしまう。
さらにドンドンと進む。あまり考えすぎてはいけないと思い、見るのをやめる。棋譜を後で並べるだけではわからないような、当事者だけの意地とか気合といったようなものをすごく感じた。

銀冠の銀が1二にへこんで明らかに不利。せめて一手違いになればというほどの悪さ。
銀が1二に残ってはひどいので、終盤の入り口で、△2三歩〜△2四歩〜△2三銀と三手もかけて修繕。
<img src="http://k2rokudan.cool.ne.jp/img/041207a.gif">
▲2三歩に対して△1三玉と上がった局面では、さすがにあきらめていた。
▲4三歩成とされて終りだから。先手玉を攻めれば自動的に角が7七から2二に利いてきて後手玉が詰めろとなる。
でも、実戦はそう進まず、▲6七金寄。
その後も全く望外の夢のような進行で、▲9七玉のあたりでは、大逆転したと思った。
<img src="http://k2rokudan.cool.ne.jp/img/041207b.gif">
この▲9七玉と逃げるところでは、部分的には、▲8八玉のほうが後手の手は狭い。だが、9七だったので、1分のうちの、50秒ぐらいは△8五桂▲同歩△7八銀不成▲7五金△同角▲8六金打△8五飛▲7七角△7六金という筋を考えてしまった。必死問題とかが好きなかたにはぜひ並べてみてもらいたい。
だが、最初の△8五桂に対して▲同金で寄せにくい。

<img src="http://k2rokudan.cool.ne.jp/img/041207c.gif">
▲7九金と受けた局面。前からの読み筋で残りが3分もあったのに△4八角成と指してしまう。
▲3六飛△5八馬▲3八飛でついに負けになる。
そこから△6八金には、▲同金と取れて、飛車の横効きが強く、先手玉は寄りそうで寄らない。

▲7九金に対しては、△6九桂成が後手からの唯一の手段で変化は膨大なのだか、感想戦で調べたら奇跡的に勝っていたようだった。

この将棋だけは拾わなければならないという将棋が時々あり、そんな時に勘が働かなかった。
年末はもっと、詰将棋を解いて勘と読みを鍛えることとしよう。
Copyright (C) 2004 Kenji Kanzaki