意表の棒銀

<img src=http://k2rokudan.cool.ne.jp/img/051130a.gif align=right>
昨日の11月30日は王位戦の対局で南九段戦

順位戦も二番手と好調の南九段との対戦はたぶん今回が5局目。
今まで全敗。
奨励会の時からトータルして練習将棋や研究会も含めてあまり良い思い出がほとんどない。

後手の南九段は、田中寅九段が時々用いられている「無理矢理矢倉模様」からの棒銀。意表。

a図までに私は手順前後があり、細かい所が雑。
△3五同歩や△4四銀が後手の有力な手段で互角だったが、△4四歩▲3四歩△2二銀▲3六銀と進み、先手が指しやすくなる。
ところがそこからの私の構想が変調。

<img src=http://k2rokudan.cool.ne.jp/img/051130b.gif>

さらに、b図での△3三歩からの銀を一手で△4二まで進むという繰り替えの好手も指されてあせるばかり。
ついにほかの指し方がわからなくなり、玉を8八に囲うために、▲7七桂と跳んで、自玉を薄くしてから寄るという「どう見ても変な手順やなぁ。(感想戦に参加した福崎九段や南九段の感想)」という手順。
単に▲8八玉から▲7八金には△8六歩▲同歩△同角から5九への角成がある。
<img src=http://k2rokudan.cool.ne.jp/img/051130c.gif align=left>

C図は、▲5六金と、6七の金で5六の歩を払った局面。
浮き駒ができた瞬間に、△3八歩を効かされて、端を突き捨てられて△5六も先手で突かれて桂交換をされて嫌な感じ。
C図で最も怖かった△9五香には、▲8六銀以下△4七に銀を打たれても飛車か角を取れば後手の居玉が響くので、なんとか大丈夫。
実戦は、△4二玉に▲7七桂でひと息。
その後も優勢な局面で余分な手を指してしまったりしつつもなんとか勝ち。

王位戦は次が予選決勝。
でもこんな変調な指し方では先が思いやられる。
感想戦後、竜王戦第4局の棋譜棋士室で並べてから帰宅。

竜王戦第4局は、成れる角を成らないほうが得という渡辺竜王の立場と、ただで取れる銀を飛車で取らずに玉で取ったほうが得という木村七段の応酬がとても見ごたえがあり、木村挑戦者の個性がとても出た内容と感じた。
終わった棋譜を並べてではなくて、同時進行で見たら、もう少し違った印象だったのかもしれない。
COPYRIGHT (C) 2005 KENJI KANZAKI<A Href=http://wakayama.cool.ne.jp/k2rokudan/ Target=_blank>HPはこちら</A>