手損角換わり.

13日の火曜日は対局。
C1順位戦で児玉七段戦で後手。
どんな戦法にするか、かなり迷ったのだが、カニカニ銀を正面から受けて立つ自信もなく、四手目に△8八角成と角交換をする手損角換わりに。
昨年の順位戦の北島戦以来の採用。
その昨年の一局が将棋年鑑に載せていただいていることはありがたいこと。

また最近、丸山九段がA級順位戦日本シリーズで、四手目に交換する指し方をよく指されているので、角換わりの大家が試みる理由を、最近は考えたりしている。

序盤にかなり早く▲9六歩と突かれた関係で、▲9五の先手玉側の端の位を取られている。この端歩の位はとても大きい。
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a図は午後9時ごろの局面。
先手も後手も、飛車の上下で手待ちが四手ほど続いている。後手ということもあって動かずに千日手狙いもあったのだが、先手の飛車が▲1七の瞬間には、仕掛けが成立するような勘のようなものがあった。
桂交換して、△8五桂と打つ手と、△5五歩と、△9四歩の突き捨ての順番が難しい。桂交換すれば、先手からの▲2六桂があり、△5五を早く突き捨てすぎると▲5六銀と活用されてしまう。また、端の位の効果で、端も早く突き捨てすぎると▲9三歩成と成られてしまう。

実戦は、△5五歩と突き捨ててから桂交換して、△8五桂と進めて、それから後で△9四歩と突いていった。
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先手にも桂打ちと、▲5六銀の活用を与えて、失敗しているように思う。
手順を間違えているか、端の位が生きて仕掛けがないかのどちらかだと今は思っている。
b図から△9七桂成とこれよりない攻めの手筋で攻める。▲9七同歩には△8五歩の狙い。
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そんなにたいした攻めではないのだが、先手が詰めていた端を逆に攻める形になったことと、桂成りの手筋を児玉七段が軽視されていたこともあって先手が実際の形勢よりも悲観されていたようだった。

c図の一手前の▲7五同歩と歩を取る手では、▲3五歩△7六歩▲7七歩で後手も自信のない局面だったと思う。

c図からは、△2八銀▲2七飛△3七銀成▲同飛△7六桂▲7七玉△6八桂成▲同玉△1六金と進む。

こういう攻め駒を筋悪く攻めて指すのは好きな指し方で、それからは有利になったようだった。