有効な持ち時間

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ある棋士と研究会を指した時のこと…。
ふたりとも持ち時間とても短い棋戦の対局が近い。
ふだんは持ち時間のある程度長い将棋を指すのだが、
あらかじめの約束どおりこの日は短い持ち時間のトレーニング。
でも、どういう方法で鍛えるかは少し迷っていた。
「どうしますか? 初手から30秒にしますか?それとも持ち時間20分ぐらいにして切れたら30秒にしますか?」
「別にどっちでもいいですよ」
と予想された返事。
「それでは最初の2局を持ち時間ありにして、それから先を初手から30秒にしましょう」とこちらも読み筋どおりのルール設定の提案。けっきょくそうなった。

その時も少し話題になったのだが、ふだんよりどういう持ち時間で練習将棋を指すのがいいのだろうか?
10秒という最も短い持ち時間で指すのでさえ、なかなか勉強になるという考えと、あれはあまり勉強にならんという考えの、両方の人がいると思う。

ほかのことを勉強したり、スポーツのトレーニングをする時でもそうだけれども、それぞれその人に合ったトレーニング法があるはず。
方法を決めるということより、どういう方法がいいかと考える過程のほうに、むしろ意味があるような気がする。
Copyright (c) 2001 Kenji Kanzaki