教えながら学ぶ

ある講習の講師。
対等の持時間が定められていて、その持時間で対局を三局指すことになっている。
二局目の途中で受講者が最も勉強になるベストの方法はこの方法ではないような気が少ししてきた。

三局目は始める前に提案
「持時間の4割をさしあげますので、そのぶんを有効に使って、さらに良い手を考えられてください」
受講者によっては、プライドが気がつくとか、嫌がる人もいるだろう。
でも、受講者は提案の意味を深く理解してくれたうえで、その持時間をたっぷりと使って一生懸命に集中して考えてくれたようだった。

もちろん、持時間が最初から少なめのこちらも、受講生の手番の時にさらに集中して考えることになり、実はこちらもとても勉強になっているのである。
感想戦の時に、実戦では指さなかった変化をいくつか聞く。その指さなかったに至る過程を聞いてみて、かなりその戦法の急所に近づいた考え方をされていたように感じる。
本日については、提案してみて良かった。

今回は教えるという立場だったが、教えるということは学ぶということと表裏一体。
どうすれば参考になり勉強になるかの方法を考えることは、自分自身が学び勉強する方法を考える時にもとても役立つことでもある。