初の記録係で持将棋

午後より関西将棋会館へ。
王位リーグの三浦―吉田戦や王座戦の久保―南戦などの観戦。
三浦八段がと金を作って指せそうと思われていた王位リーグ。
どうも真相が見えていなかったようで、吉田四段の受けと的確な反撃で吉田四段のリーグ初白星。

王座戦の観戦記は河口俊彦先生が見えられているらしい。控室で、河口先生が関西に来られた時の口癖が「京都に行きたい」だと若手記者などに私は話していた。
対局が夜戦になって河口先生も控室に現れる。得意の「京都‥」のセリフが出た時には、なぜかとても懐かしい気分になる。その河口先生もう75歳になられたという。本日もインターネット中継の記者などに、対局日誌連載当時の裏話や、「書く」という仕事の心構えや苦労話なども話されていた。

現在掲載中の王座戦観戦記は朝吹真理子さんが郷田九段−村山五段戦を執筆されている。初の観戦記で、震災の影響で長時間の中断となった対局で、観戦記の当時者もきっとビックリされたことと思う。現在第4譜で、お茶の夢に関するエピソードなどが面白かった。その後の観戦記をどのように書かれているか楽しみだ。

本日は初めての記録係の奨励会員が5時間の竜王戦の脇―安用寺戦の記録係をしていた。100手目ぐらいの局面でどうもどちらの玉も上部が厚くて大変なことになりそうな雰囲気になっている。

久保―南戦が終局。その王座戦感想戦の合間に大変な進行の一局をのぞいてみると心配したとおり、片方は1分将棋で150手を越えて片方の玉は入玉を果たしている。
結局23時少し前に持将棋が成立。

指し直し局の開始時刻や、持時間のくわえかた、指し直し局の備考欄や初手への記入方法その他訂正箇所を教える。
初の観戦記で中断に遭遇されるかたもいるのだから、初の記録係で持将棋指し直しになってしまうということがあってもおかしくはない。

指し直し局は、最長で深夜の2時半ぐらいになる可能性はあったが、無事(?)に1時すぎに終了。しかし、秒ヨミもしていたため200手を超える提出棋譜を写すという作業などが延々と残っている。

予想外のとても大変な苦労をした記録係も、これに懲りずにまた記録係をして勉強してもらいたいと思う。
この先記録係をしていて少々の千日手や長手数の対局に遭遇しようとも、間違いなく本日よりもはるかに楽な記録係のはずなのだから‥
Copyright (C) 2011 Kenji Kanzaki