伊藤博文五段 来期より順位戦に復帰!!

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伊藤博文さんと初めて会ったのは、まだ私が奨励会にはいる前のこと。
ある将棋大会に出場していたら、指導の仕事の奨励会員として来られていた。
今もそうだが(笑)童顔といっては失礼かもしれないが、実際の年より若く見えた。

私は二段の時に師匠(灘)を亡くした。
預かり弟子として、伊達康夫七段門下にしていただく。

私の師匠の師匠は神田辰之助九段。
その神田辰之助九段門下の私の師匠の灘の兄弟弟子に(故)岡崎史明八段。
その岡崎先生の弟子が伊達先生という縁で、四段になるまで(なってからも…)、ずいぶんとお世話になった。
伊藤さんは、伊達七段門下であるから、一時期、私が弟弟子としてお世話になったということである。

昨年度のはじめより、好成績で、何度かチャンスを作っては後退し、またチャンスを作っては後退し…を繰り返されていた。

私も自分のホームページ内で何度か触れようかとも思ったが、伊藤さんが切実な立場にいるということは、書きにくかった。(練習将棋を指したという話はかきやすくても。)

伊奈四段が抜群の成績を挙げて、順位戦参加を最近決めた。
伊藤さんは一度C2で降級点を取ってしまわれているのだから、周囲のほかの棋士から見ていても、どこかでバタバタバタと負けつづけてしまわないだろうか?
という不安定な心配がかなりあった。

でも、本日、早指し戦の予選にて2勝をあげられて規定の成績により
来期からの順位戦復帰を決められた。

師匠代わりとしてお世話になった伊達七段に私も報告すべきこと(七段昇段)があったので先ほど電話した。同じ日だったのでさすがにビックリされていた。
たぶん、昼間は伊藤博文さんから、電話あって大事な良い報告、夜は神崎の良いことということで、伊藤博文さんのおめでたい日に、私にも良いことがあったのは伊達先生の何か、見えない力によるものだろうという気がする。

復帰を決められた直後の次の対局は伊藤さんは、私の横で対局だったのだが、
その対局前の伊藤さんの今までとは違った、なにか重いものから開放されたような表情は忘れられない。
Copyright (c) 2001 Kenji Kanzaki