初めて見かけた風景

5月26日棋士総会に出席のため、12時過ぎに千駄ヶ谷駅にて下車。
電車の端っこの車両で下車。
前方には一両ほど前で降りられた有吉九段と内藤九段がおふたりでお話しをされながらホームを歩かれていた。

最後の一局を指されてから数日後の有吉九段。
関西将棋会館対局室での対局姿や棋士室での練習将棋を指されている有吉九段の姿は多くの棋士奨励会員たちは決して忘れないだろう。
いずれ囲碁将棋チャンネルの名局集の番組になったり、将棋世界の付録にも有吉九段名場面集は登場するのに違いない。

有吉九段の引退により内藤九段は最年長棋士となった。5年間就かれていた関西本部長を退かれることをこの日の棋士総会内で発表された内藤九段。
そのあいさつがまたユーモアをたっぷりと取り入れて、それでいて周囲の細部にも気を遣われた内藤先生にしかできない素晴らしいあいさつだった。

内藤―有吉戦。内藤九段の先手の時は内藤▲2六歩有吉△8四歩で始まる。必ず相がかり腰掛銀やひねり飛車。
数々の対局の内容も思い出す。大苦戦の将棋を有吉九段が必死の入玉策で粘りもう少しで逆転か?そんな局面などが印象に残っている。
歴戦の数というか、迫力が違うというか、そんな重いカードだった。

でも、駅のホームなどで、会話されているとてもなごやかな風景を見かけるのは初めてかも?
そういう場面に偶然遭遇した幸運に感謝。
簡単にご挨拶して、私は先に改札口へと向かった。
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