進路を変更する勇気と決断

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昨日の朝だったか、名人戦を報じた毎日紙の反対側のページ(だったと思う)に
もうひとつ、かなり興味深いニュースがあった。

囲碁のアマで大活躍しているかた(アマ世界チャンピオン等…)が、関西棋院棋士になることになっているそうだ。試験手合を打って、初段から五段の段が決まるらしい。
大学の医学部を出られて医師の国家試験も合格されているかたらしい。
関西棋院も、今回はアマ囲碁会での実績を高く評価して、規定を変えるらしい。

医師の資格の難しさについては、あまりよくわからないが、かなり難しい資格をすでに持たれているのだろうということは次のことから推測できる。
もう10年くらいになるだろうか。
関西奨励会に、とても有望な三段がいた。時々研究会等で指したりしたが、5局指せば3局ぐらいは確実に負かしてくれるのでとても勉強になった。

しかし、ある時、まだまだ年齢制限には何年もあるのに、いきなり奨励会を去った。大学の医学部にはいって医師への道をめざすらしい。

それから数年後のある日…。
三宮で、週刊将棋売店で買って電車に乗りこむ学生を目撃。
向かい側にすわって週将を実に楽しそうに広げる。
その姿があまりにも楽しそうだったのと、私のほうが次の駅で降りなければならなかったこともあって、声はかけなかった。

最近、その彼が将棋界にいた時の師匠のお祝いの席があり、元気な姿でお祝いに駆けつけたという。

今まで自分がやってきた進路を大幅に変えてまで、もうひとつの大事なことにチャレンジする精神もエネルギーには感心させられるばかり。

好対照な、ひとりの囲碁棋士と、将棋が最も強いであろう医学部の学生(そろそろ医師の見習いかな?)のこれからの人生は、とても、とても興味深い。
Copyright (c) 2001 Kenji Kanzaki