一方的な会話
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夕方、指導対局を2階道場で終えた。
帰ろうとして駒を片付けていると、話しかけてくる人がひとり。
ていねいに、少し前の大会で、多面指しの指導対局を指している写真を
撮影したものを、一枚どうぞと言われたので、せっかくだから、いただき、お礼を言う。
「この間のペンクラブの会は何か用があってこられなかったのですか?」
「私は、会員ではないので…」
「新宿に行って○○□段を見ました」
「そうですか」
↑棋士に向かってする会話ではなくて、ファンどうしの会話だと思うのだが…。
「週刊将棋は読まれましたか」
「まだです」
「神吉六段がこのように関西のことを書いてますね」
と言って、わざわざそのページを広げて見せてくれる。
見せてくれなくとも、週刊将棋さんには、私はいつも郵送していただいている。
ほかにも、こちらの様子や、答えかたを無視して、延々と自分のしゃべりたいことだけをしゃべられる。
その人の棋力はまるっきり知らないが、きっと将棋指してても、自分の指したい手ばかり指して、対局相手は何を考えているかとかは、考えずに指しているのだろうという気がする。
良いよう解釈すれば、新宿で棋士に会ったのも、週刊将棋に新コーナー?ができたのもとても本人が嬉しくて、誰かにそのことを話したいという気持でいっぱいなんだろうけれども…。
本人に悪意はたぶんない、熱心なファンのひとりなのだろうけれども
自分ではあまり会話になっていないということに気がついていないだけに、困ったものだ…。
Copyright (c) 2001 Kenji Kanzaki