先入観と経験とヨミ

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対局。平藤五段との竜王戦4組、本戦入りの可能性はない場所だが、勝ち続けて3組昇級をめざすには、大事な一局。
昼休み直後。
小考8分で歩を突いて仕掛ける。
相手は同歩とは取れない。さらにもう一手取りこむ。またしても相手は取れない。
歩がぶつかった時に取れないようでは、だいたい不利としたものというのが常識。
対局中は、少し指しやすいと感じ、相手は指しにくいと感じ、記録係(三段)にあとで聞いてみると、「神崎先生のほうが少し指し易いと思いました」
しかし、手は広いが、いざ有利になる順を探すとなると、それがなかなか見つからない。
ない智恵をしぼってその歩を生かす指しかたを探して、長考を重ねたが、結局見つからず。
不本意ながら、二手かけたそのタレ歩を成り捨てる手順をしかたなく選ぶ。
少しむずかしいところも少しだけあったが、結果は夜の9時ぐらいに負け。

感想戦でもいろいろと調べたものの、こうすればまあまあかも?いうところが
ほんの一箇所だけしか見つからず。
しかも、第一感とはかなりかけ離れた一手。
いや、一箇所しかなかったのではなく、ひとつでもあったのならば、そう指さなければいけなかった。

経験や先入観でこの形だから…ということで、かなりヨミを省略することとかがかなり多いのだが
その一箇所が見つけられるようになるには、感覚だけで指さず、もっとすみずみまで読まなければいけないと感じた一日。
Copyright (c) 2001 Kenji Kanzaki