大詰め

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夜9時より連盟。最終局のひとつ前のB級1組とB級2組の順位戦
毎日新聞の将棋担当の山村記者も本日の結果によっては昇級者が決まるとあって大阪に来られている。
何度も対局室へ往復されては、棋譜の情報を持ってきてくれる。

観戦記の掲載予定の情報の提供をお願いする。予定を書いたものを見ずに、すらすらとこれからのA級順位戦の掲載予定を教えていただく。
さすがと感心。われわれが棋譜の進行を盤を使わずに話すようなものなのかな?
近いうちに、毎日紙も次回掲載の項目作らなければ…。

一局だけ早い終局。泉ー脇戦短手数で泉七段の勝ち。
感想戦を途中から見ていると、脇八段に、「おっ神崎君いつの間にか…」と話しかけられる。感想戦の途中では珍しいことだ。
数日前に脇八段と指した短時間の持時間の練習将棋と少し似た将棋だったので少しビックリ。途中からは別の変化にはなったのだが、少しは迷惑かけてしまったかも?

昇級に関係する井上ー郷田戦は、井上八段の快勝。感想戦を聞いていても郷田八段の穏やかな冷静な感想戦の進めかたに感心。
となりでは、有森-阿部戦の降級と昇級に関係した一局の千日手指し直し。
有森七段が残り1時間ぐらい。阿部七段はすでに1分将棋。
局面は中盤戦が始まったところ。

タイトル戦の関係で延期の久保ー畠山成戦以外の東京の結果もすべてはいる。
残念ながら降級、降級点が何人かが決まった。昇級者は今の段階(0時半)では誰も決まっていない。
残っている対局は千日手指し直しの一局だけ。
ほかの将棋の感想戦を見たり、残っている一局の進行を控え室に伝えたりはしていたのだが、さすがに、対局室へは入りづらくなった。

なぜならば、対局中の有森七段の降級が決まったからだ。
対局相手の阿部七段のほうも、自分が負けてしまうとトップを走っている棋士の昇級が決まるという状況。
進行を終わりまで見ずに帰ることにする。

自分が戦っている勝負というのが、周りの結果によってどういうふうな状況に変わろうとも、ほかの対局の結果とか東京の結果とかいうものは、周囲は決して教えないのが最低限の礼儀。
対局者本人たちも、もし知りたくても知ろうともせず、目の前の対局に全力を注ぐというのが、われわれ棋士の習性でもあり義務でもある。

今ごろはそろそろ感想戦の最中かな?
Copyright (c) 2001 Kenji Kanzaki