負けるのは自分だけの責任

30468
あれ?
その日のうちに更新していないのにもかかわらず、おおぜいのかたが見に来られたみたいだ。留守中に来られて昨日と同じじゃないかと思われた方々どうもすみませんでした。m(__)m

月曜日の夜に、教育テレビで、趙治勲先生の特集番組見る。
囲碁の世界で、長く第一人者を続けられ、大三冠という主要タイトルを三つとも持たれていたが、本因坊棋聖、名人と順番に失われた大棋士の番組。
38年前にたった6歳で韓国から来日してから昇段記録やタイトル連覇記録などを次々と塗り替えられた趙治勲先生の番組は、どんなんだろうかととても関心があった。
タイトル戦の直前に、不運にも交通事故に遭われて、車椅子で対局に臨まれた話は有名だが、番組中ではその時の心境なども語られていて、とても興味深かった。
精神的な強さははかりしれない。将棋界ではまだ一度もない、タイトル戦での3連敗からの4連勝という奇跡的な逆転も数回されている。

でも、番組の終わり頃、ご本人が、長く続けられたご自分のスタイル(長考後、秒読みに追われながらヨセを打つ)を荒療治で、代えていかなければならないと、おっしゃっていた姿は、今まで思いえがいていた無敵の趙治勲先生とは、別の人みたいだった。「1分碁になったらその瞬間に投了というつもりで、早く打たなければ」というジョークも、番組への大サービスだなぁと思った。

本因坊戦10連覇達成のときに毎日新聞のコラムに書かれていた過去の語録に次のようなのがあった。
「碁を打つのは楽しい。苦しいことがあっても碁で苦しむのはつらくない。精一杯苦しめるのは幸せ」
「勝つのは運だけど、負けるのは必然。そして負けるのは自分だけの責任」

なかなかそのような心境になれない未熟な棋士(?)の、好きな言葉だ。
神崎健二(c)