外部に目を向ける必要

25950
少し前、東京で対局の時、5階の「囲碁将棋チャンネル」収録中の新スタジオ廊下で山田史生 さんと会う機会があった。
山田さんは、長く読売新聞の竜王戦の担当記者をされていて、少し前に退職され、今はフリーで観戦記を書かれている。
そのときは、なぜそこにいらっしゃったのかわからなかったのだが(笑)
その謎が今日やっと解けた。

将棋世界 1月号に、ご本人が「違う 世界」と題して巻頭エッセイ を書かれていたからだ。
囲碁将棋チャンネル」(銀河戦のチャンネル)の番組製作アドバイザー をされているそうで、局としてもいい方を迎えられたことと思う。

文中には、将棋に関しては白紙でのスタートのディレクターと、美人キャスターの素朴な疑問とかを、楽しくご紹介されていた。
でも、しばらくするとキャスターも将棋ファンへと変貌されていったらしい(笑)
結びには、
1.イベントや、将棋専門誌(紙)には、将棋に縁のない人をもっと使うべきではないかということ
2.将棋連盟や、個々の棋士も内にだけこもっていないで、もっと積極的に外部に目を向けるべき
というようなことが書かれていたが、まったく同感である。

内にだけこもりがちな棋士のひとりの(笑)私も、じつは同様の経験 があった。
数年前、NHKの朝のドラマ「ふたりっ子]の将棋指導で、山田さんと少し似たような仕事を手伝った時のこと・・・
将棋のことは知らないが、ドラマ作りのため「将棋の時間」を何本も見たという、朝ドラ専門のあるディレクターが
NHK杯戦の対局も 、もっと いろんな人 使ったり、もっと盛り上げるような作りかたは いくらでも、できるのに ・・」
と残念そうに言っていた。
そういえばある棋士が「衣装を借りてでも必ず和服で対局したらどうだろうかと」テキストの自戦記に立派な意見を書いたこともあったのも思い出した。

NHKさんはNHKさんで、派手で目だってなんぼのドラマと、落ち着いた作りかたをしている将棋番組を、同列には論じられないような事情も必ずあるとは思う。
 でも、内にだけこもりがちな棋士のひとりの(笑)私でも、ドラマの現場での手法や編集等の技術をもっとたくさん、将棋対局番組にも生かせれば いいのになぁと思った。
これからのファンはそういうこともかなり求めているのではないかとも思う。
ルール知らなくても、将棋ファンという人たちもいっぱいいるんだから・・。
神崎健二(c)