夜戦

8825
昨日から今日に日付がかわる頃の対局室・・・
C2順位戦の7局中6局が、11時半になってもどこも終わらないという、深夜の闘い。
「残り20分です50秒・・・55秒・・残り19分です。」
「残り15分まで秒、読まなくていいわ。」

「残り10分になりました。秒読みは何分から読みましょうか。」
「では、9分から。」

「残り10分になりました。秒読みは何分からにいたしましょうか。」
「1分将棋になるまでいいです。」

「○○先生残り30分です。」
***その数分後***
「何分?」
「6分です」
記録係も緊張して、残り時間をきかれたのに
その一手の消費時間を答えたみたいだ。
対局者は、自分で、残り時間の表を見て確認しながら、薄く苦笑い。

御上段の間、御下段の間、芙蓉の間と三つの部屋で対局は、行われているのだが
御下段の三局が、すべて終わる。
感想戦が静かにおこなわれているが、御上段では、1分将棋の秒読みの声。
私は、上段と下段のあいだのふすまを閉めた。

ほかに、もうひとつ、やりたいことがあったのだが
しばらくして、記録係のひとりが、やってくれてほっとした。
下段と芙蓉のあいだの障子も静かに閉められた。

好成績の人も、大熱戦もあったのに、なぜか取材しているらしき人は
いなかったような気がする。どうしてかな?
神崎健二(c)