無限の可能性

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昨日は連盟で研修生相手の指導対局
研修会というのは、奨励会を受けるほどの棋力はないが、奨励会等をめざす少年少女、または真剣に将棋を学びたいという少年少女が切磋琢磨する場。

指導対局の勝敗によって、手当てが変動するので、上手もかなり真面目に考える。
しかし、ほとんどの場合上手の戦力には、大駒という貴重な戦力がない。
よって、カンと下手の棋風を読んで指すということになる。

まずFクラスといういちばん下のほうのクラスの少年と指す。
飛車角に香車もない四枚落ち。
ここで開始早々二十数手、手堅くジリ貧の道を選ぶか、危ないけれど下手が寄せきるにはかなりの読みと寄せの力が必要という場面の二択。
後者を選ぶ。
しかし、そこから上手の投了まで、妙手も指されて、緩みなく寄せられて、時間(持ち時間もあるのです)を使うところもなく、超短手数で投了。
強すぎてお話にならない。

二局目。Eクラスの子と二枚落ち。仕掛けから寄せまで、一手の疑問手もなく
落ち着いて攻められて、またしても完敗。これまた強かった。

3年くらい前までは、研修会の幹事をしていたのだが、強い子ばかりになったのかな?それとも駒落の上手がへたになったのかな?

棋士室で神吉六段に声かけられる。
相変わらず派手な背広。
「ホームページようみてるでぇー。対局日誌みたいやなぁ」
忙しい人だが、あいかわらずファンへのサービス精神抜群。
最近は、スポーツ新聞や、詰め将棋の専門誌に、双玉の詰め将棋を発表されているようだ。

三局目、四局目の二枚落、飛車香落はなんとか勝って、指し分け。
全敗をまぬがれてほっとした。

どれだけ強くなるかわからない未知の可能性のある
子供たちと久しぶりに指すのは楽しかった。
神崎健二(c)