惻隠の情・最後の砦

昨日、本日と研究会。
一手パッタリ、ボロ負け、大逆転負けと三種類の負け方がそろってしまってあまり元気も出ない。

将棋世界1月号。内館牧子さんのコラム月夜の駒音「惻隠の情」を読む。

昔こういうことがあった。私はNHK杯での対局で、とても勝てるとは思っていなかった強敵相手に勝った時に、あまりにも嬉しそうにしていたらしい。
先輩棋士に「嬉しそうにし過ぎ」と放映後に注意されたことがあった。
また、練習将棋でも公式戦でも、残念な負け方をした時には、とてもくやしそうにしているのに違いない。嬉しい時も口惜しい時も、みっともないふるまいをしたこともきっと少なくないに違いない。

貴乃花横綱審議委員の内館さんの言う「勝っても喜びを控えめに、負けても口惜しさを表に出さない」なかなかできないことだが、「日本の精神文化の最後の砦は将棋界」とまでそのコラム中には書いていただいている。

将棋を習われている途中の悪戦苦闘記もよいが、内館さんには、相撲界と棋界を比較した内館さんにしか書けないコラムをドンドンと書いていただきたいと思う。来月号もとても楽しみにしている。
Copyright (C) 2009 Kenji Kanzaki