青野九段 新刊 「後手番 一手損角換わり戦法」

青野照市九段より著書を送っていただく。
創元社のスーパー将棋講座 「後手番一手損角換わり戦法」である。
青野九段の角換わりといえば、昭和58年に日本将棋連盟から出た
「青野流近代棒銀」が有名で、35局ほどの棒銀や早繰り銀の実戦譜が含まれていて、私はその本が出た頃は、奨励会三段で角換わりの勉強や研究を下手なりに一生懸命したものである。
「青野流近代棒銀」は、今も本棚の中央に大事に残している。

今回の新刊の、後手番一手損角換わり戦法」は現在いろんな棋士で戦われている定跡を中心の講座か゛約八割ぐらい。残りが三局の実戦解説である。
著者は三局とも、青野九段の実戦譜にすることは可能だったはずだが、そのうちの一局が神崎七段−淡路九段戦(平成15年6月対局)であった。

これは、後手一手損「角換わり戦法」の著書を出すにあたり「一手損角換わり」で升田幸三賞を受賞された淡路九段に対しての敬意ということで取り入れられているのではないかと推測している。
ほかの実戦譜解説も、私も棒銀での同一の仕掛けを経験した局面からの青野九段の自戦解説があるので、本屋さんでの購入手間が省けてありがたい。

新旧の研究課題の局面を今回いただいた著書を少しずつ並べながら勉強することにする。自分の淡路九段との対局の青野九段の解説も読んで反省することとする。
また、「青野流近代棒銀」も最近の一手損角換わりから派生する棒銀や早繰り銀の勉強にもなるので、参考になりそうな棋譜を探して、昭和58年当時と現在とを比べながらぼちぼちと並べてみようとも思う。
Copyright (C) 2009 Kenji Kanzaki