100年後、200年後…

11日土曜日付けの日本経済新聞夕刊、王座戦、先崎八段―川上六段戦の観戦記を読む。

観戦記担当の野月七段は、文中にて将棋ファンの多様化にともない、大きな勝負の歴史的瞬間の映像や人気棋士の映像を残すことの必要性、また、そういった映像が歴史的価値を持ち、残しておくことによって、将棋連盟の財産ともなることを説かれていた。
確かに、棋譜はあまり見なくとも、棋士の対局風景を見たいというファンも、少し昔に比べてかなり増えていると思う。野月七段らしい、ほかの棋士にはなかなか気がつかない、少し違った目のつけどころだなと思った。感心した。

関西将棋会館の博物館に「過去の名勝負コーナー」などが新設されて、図書館のビデオ、DVDコーナーのように、歴史的な名棋士の映像が見ることが可能になれば、前記のような棋士の姿を見たいというファンのニーズにもこたえられて、なかなか良いかもしれない。

野月七段の提唱されていることは時代の移り変わりに沿った提案だとは思うのだが、現理事会は将棋博物館を閉鎖する方向に決めているぐらいなので、長い間にわたって、継続されて、そういったものが残されていくかどうかとなると、微妙なのかもしれないと思った。

棋譜だけではなく、棋士の映像や写真、貴重な文献や盤駒などの用具、100年後にも200年後にも「将棋」や「棋士」に関するものが少しでも多く残って欲しいものと、切実に思う。
Copyright (C) 2006 Kenji Kanzaki<A Href=http://wakayama.cool.ne.jp/k2rokudan/ Target=_blank>HPはこちら</A>