お城と入城

昨日は対局。
竜王戦で豊川六段との一局。
先手が私。
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▲4五歩△同歩▲5五歩と仕掛けた時に、△6五歩▲同歩△3一玉と寄られたところ。

少し前、知人に最近指した将棋を少し見てくださいと言われて解説したことがあった。その時に、「せっかく手数をかけてお城を作ったのだから、お城にはいらなければもったいないですよ」とお答えしたことがあった。
それなのに、これでは偉そうなことは言えない。

やはり、仕掛ける前に、▲8八玉と入城するのが正しい駒組み。
玉の位置が、8八対3一より、7九対4一のほうが率が良いような気がしてついつい仕掛けてしまった。
この局面でも、▲8八玉には、△4四銀から△5五銀が生じていて忙しい。
不本意ながら攻めることになる。
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△8六を突き捨てられて、△8七歩と垂らしたのが豊川六段の好手。
陣太鼓先生流に言えば、この歩は
「取るに取れない魚屋の猫」といううまい手筋。
▲5三歩成に△4七銀と打たれて、以下は少しずつ苦しくなる。
難しいように見えても、やはり急所の垂れ歩を残したまま戦っているので、最後まで苦しいまま負け。

別室でおこなわれていた王座戦の阿部七段―畠山成六段戦のほうがこちらが終盤になっていた頃に終局していたみたいだったが、障子が閉められていた(別室で対局が続いている時には、閉めることが多い)。その頃はほかの対局を見にいく余裕もなかった。その対局で、勝ち星による昇段で、阿部七段が八段に昇段したことを知ったのは、翌日の今日になってから…。なお、その王座戦河口俊彦七段の観戦記にて後日、日経に掲載される予定。

お城を築城しても、入城せずに戦いにした弱点を的確に衝かれ、今期の竜王戦は、昇級どころか、残留を目指して指すことになってしまった。
Copyright (C) 2005 Kenji Kanzaki<A Href=http://wakayama.cool.ne.jp/k2rokudan/ Target=_blank>HPはこちら</A>