くじに見せかけて…

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近所に買い物に出かけた時。
買い物を終えて、駐車場への連絡階から帰ろうとした。

「ただいま、くじびきで抽選でこういう品物があたります。」とふたりの男性。
すすめられるままに箱からくじを引いてみた。
「これは…」
「三等です」「おめでとうございます」

見ると【一等がUSJチケット、二等がおりたたみ自転車】とあった。

そして、肝心の三等は、(たぶんBS)チューナーと、傘の形のアンテナだった。
チューナーならすでに所持しているので、
「四等より下の品物でいいですから、代わりにください」
「いえ、この抽選は三等までしかないのですよ」
「じゃあ、知り合いに、もし欲しい人がいた時に、さしあげようかとも思うので、いちおうせっかくだから受け取ります」
そうすると、申し込み用紙みたいなものをその男性は出してきた。

「視聴契約書」のようだ。
「最低四か月は契約していただくことになります。」
「身内でないとダメなのです。」
「ここのこの場所に、おとうさまか、おかあさまの名前と住所を書かれて...」
最初からおかしいと思っていたが、やはりおかしい。

なにも、この人に、この三等賞を父母に贈るとなど一言も言っていないのに、ドンドンと話を展開していっているみたいだった。

無作為に電話をかけてきて「あなただけが選ばれました」ではじまり、売り込みにくるセールスや、インターホン押して品物を売り込みにくるセールスの人に共通した、いやな雰囲気を感じた。

「せっかく当たったのに、とても残念です。」
と、いちおうその人に合わせておいて、帰ることにした。
こういう時は早逃げ八手の得。

数分もの時間は無駄だったが、このような手筋には初めて遭遇したので、こういう戦法もあるのかと、学習する良いチャンスだった。少しは為になった。

思い出してみると、そういえば、周囲にはほとんどほかの人はいなかったなぁ。
Copyright (C) 2004 Kenji Kanzaki<A Href=http://wakayama.cool.ne.jp/k2rokudan/ Target=_blank>HPはこちら</A>