王将戦第1局 回想と推測と期待

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昨年の11/5の関西将棋会館棋聖戦二次予選、リーグ入りの一局(先)谷川ー小林裕戦は小林五段の勝ちで、小林五段は棋聖リーグ入りを果たした。
感想戦の途中、「うーーん」と首をかしげる谷川王位の姿。

ちょうどその対局の1ヶ月前の王座戦第2局<(先)羽生ー佐藤>の現地大盤解説会解説者のひとりとして、谷川王位は「ホテルオークラ神戸」(神戸市)の現場にいて感想戦も聞いていた。
にもかかわらず、その将棋との同一局面の42手目から小林五段に△3七歩の新手を指されて、そこからは有利になる手順が実戦でも、感想戦でもついに見つからなかったのである。

感想戦を聞いていると、終盤は確実に王位のほうが小林五段より読みがまさっていた。でも皮肉なことに先手の自分の負け筋を正確に読み切ってしまったような部分もあったようにも感じた。それほど形勢は開いていた。

そして、本日…
<A HREF=http://www.sponichi.co.jp/>スポニチアネックス</A>を見る。
スポーツニッポン新聞社毎日新聞社主催 第52期王将戦第1局 
佐藤王将ー羽生挑戦者戦、2日目。
とても不思議な盤面風景。
先手の佐藤王将が、王座戦の羽生側を持ち、後手の羽生竜王が負けた佐藤側。
すなわちどちらも前回のふたりのタイトル戦での逆を持って戦っている。

棋譜を見ただけでは、小林五段の新手△3七歩以下の手順を採用の羽生竜王の快勝に見える。

きっと、本日の棋譜を最も複雑な心境で見ているのは、自分の指した新手によって同じ田中魁門下の兄弟子の佐藤王将に迷惑をかけてしまったという弟弟子小林裕五段なのかもしれない。(深読みし過ぎかな??)

昨年の七番勝負も多彩な戦法が出現して見ごたえがあった。
そして本年もまた、一局目から両者とも凄い意地の張り合いのような、戦法選択で始まった。これからの戦いが楽しみな七番勝負である。

私は、<A HREF=http://www.daikanso.com/>大観荘</A>での第4局(2/12〜13)では、副立会(新聞社向け解説者?)も依頼されている。
どんな戦法のどんな将棋を解説させていただけるのかが、今からとても楽しみ。
Copyright (c) 2003 Kenji Kanzaki