いらんところに 力使わんでもいい

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誰もいない部屋に部屋にあかりがついていた時…。
「誰もいないところに、いらん力をつかわんでもいい」
師匠の灘はそう言って電灯をつけっ放しにしていた人にはいつも注意をしていた。
そして、使う必要のないところに過剰に金銀を打った時も同じように
「そんなところは、王様のほうをこうかわしとけばじゅうぶん」

今でも、関西将棋会館の五階に対局の進行を見にいったり、感想戦を聞きにいったりした時、すでに対局の終わった部屋の照明がつけっ放しのことが時々ある。
そういうのを見つけた時は、少し緊張しながら、そっとスイッチをオフにしておく。
なぜ緊張するかというと、少し隣のスイッチに手を触れてしまうと、まだ対局中の対局者の部屋を真っ暗にしてしまってとんでもない迷惑をかけてしまうから。

上の例は確実にいらないところに力を使っているからわかりやすいのだが、
必要かどうかわからないものは多い。
いらないように見えて実は大事というものもあるからだ。

やたらと増えていく使わないカードの類。
誰もいない部屋の強力な冷房。
もしも…とか万が一の時にだけ役にたつかもしれない保険。
自分がほとんど指さない戦法の棋譜を並べること。
健康診断、車険…。
いろいろと並べていくとキリがない。

ホームページの存在も、その何割かは
「この内容だったら別にいらないなぁ」とか思ったりもする時もある。
Copyright (c) 2002 Kenji Kanzaki