竜王戦第3局は予想はずれてばかり

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短手数だろうとは思ってはいたが、それにしても、不思議な終局だった。

4時過ぎより連盟棋士室に。
竜王戦の検討中。本日の一日塾生の平田三段と、大盤解説会助手の関口二段が盤をはさんで検討している。
横で阿部七段、長沼六段、棋聖戦観戦記の永松記者、産経の保坂記者。
難解な形勢ではっきりとした結論が出ないまま。
少しだけ藤井竜王持ちの声が多いみたい。
永松さんに「このあいだのNHKの解説も見ましたよ」と声をかけられる。
「実物より強そうに観戦記にも登場させていただいてどうも」
とお礼を言う。

モニターテレビには、棋聖戦の谷川ー畠山鎮戦が映っていて、BSの竜王戦中継との二元中継でチャンネルの切り替えで忙しい。
まもなく解説会で最近父親になられたばかりの神吉六段も登場。
▲5一竜の局面で、△6二角と受けるか、一回△4四歩と打って馬を近づけてから△6二角と受けるか、それとも現地控え室推奨の△6二銀なのか。さっぱりわからない。
ところが実戦は予想外の△7六桂
王手竜の筋は、ほとんど誰も予想していなかった。
「こういうのはアマのほうが見つけやすいかもしれないなぁ〜」と保坂記者。
当初は評判が良かったが、しばらくしているうちに、▲5五桂の切り返しで金をはがされるのも大きいという空気に。

その頃。モニターの5階の将棋が終局。(谷川勝)
さらに△8四歩が指され、皆(といっても五階に取材に上がった人も多いのでさっきより人が少ないのだが)驚く。
▲9三銀からばらして▲9五歩でも寄りそうに見えるし、鈴木大六段と富岡七段の解説している▲9五桂から▲9四銀でも勝てそう。
もちろんほかもありそう。

実戦は▲7三桂打という確実に厳しい手だった。
その頃感想戦を終えた5階の対局者も降りてくる。
「ここまでの指し手を教えてくれませんか?」
という谷川九段に阿部七段が封じ手以降を並べる。
途中▲7七金を見て「えーーーっ」と王座戦の対局中で夕食休憩の淡路九段がびっくりしてくれるのを聞いて、なぜかこっそりとホッとする(笑)
検討打ちきりと話しているところへ終局の情報。

何か竜王のほうに大きな誤算でもあったのだろうか? (19時20分記)
Copyright (c) 2001 Kenji Kanzaki