並べるということ

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詰将棋パラダイス9月号をパラパラとめくる。
詰将棋作家の稲葉元孝さんが「詰将棋入門」に「なぜ並べるか」と題して
5手から9手の詰将棋を答えを見ながら並べるということの勧めや効果等が書かれていた。解く気がおこらない難しそうなのは、答えを見てならべてしまうのもひとつの方法で、実戦は好きだが詰将棋は少し苦手というかたに特に私からも勧めたい。

我々棋士は当然ながら、よく棋譜を並べる。
本来は、じっくりと時間をかけてその場その場でその時の対局者と同じ気持ちになってよく考えながら並べるのが理想だが、並べてみたいという関心の高いタイトル戦、Aクラス、自分の好きな戦法、その他好きな棋士棋譜等の、そのすべてをじっくりと並べるということには時間的にも限界がある。

棋士によっては、1局を1分〜2分ぐらいの猛スピード で並べてしまう人もいる。
駒が手に馴染むように棋譜並べをしているのが目的かな?

記憶力にも限度というものがあるので、いろんなことを覚えるということはなかなかできない。中には自分の指した棋譜でさえ忘れてしまうこともある。
量よりもなぜその手がいい手なのかという質のほうが大事という説もあり同感。
でも、そうやって並べていると、いざ自分の実戦の本番の場で、いきなり思い出すということもある。また、本人が意識しなくとも、無意識のうちにこう指したほうがいいというほうに指が動くということもある。

詰将棋を解くのも、あまり自分の限界よりかなり上の難しいのばかり解くのは気分的にも良くない。
少しだけ難しめの詰将棋を何度か並べて、手筋を覚えながら繰り返せば、慣れてきてだんだんと答えを見ずに解けるようになっていけるはず。

…ということで、今から、少し手数の短めの詰将棋を何問か解くことにする。
↑もちろん私は、答見ずにですよ〜(笑)
Copyright (c) 2001 Kenji Kanzaki