棋士の文章の書きかた

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名人戦第7局の観戦記が毎日新聞に今掲載されている。
今観戦記を書かれている関浩さんは私の先輩にあたる棋士

まだ掲載途中だが、今までで私が印象に残っているの次の2つ。
ひとつめは「対局者でもないのになかなか前日は寝れなかった」という表現。
観戦記者でもそうなのに、両対局者はいったいどういう気分で前日の夜を過ごしたのだろうか…?」
と続く。
ふたつめは記録係の振駒の時のシェイク(振るまでに手の中で5枚の歩を混ぜね時間)がいつにもまして長かったという表現。
記録係も、3-3での名人戦最終局ともなれば、うかつな振りかたはできないので
ついつい混ぜるのにも力がはいる。その気持ちもよくわかる。

最近、将棋世界に原稿を連載し始めるにあたって迷ったのは、自分という棋士を文中でどのように表現するか?… ということ。
まるっきり書かないと不自然。(控え室ではけっこう目立っていること多い)
でもあまり出し過ぎるのもおかしいし…。

関さんは、ご自分があまり、棋士だということを文中にも強調したりされずに、
でも棋士でなければ書けないような読者が読みたいような、内面的なことも書かれている。
関さんの文章を読みながら、私も少しずついろいろと考えてゆきたい。
Copyright (c) 2001 Kenji Kanzaki