将棋雑誌2.

102518
将棋世界6月号

河口六段の対局日誌より…
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 政治の貧困が問題になっている。将棋界内部は日本社会の縮図であるから、問題点もまた同じい。
 自分達の将来を考えれば、今こそ労をいとわず働かなければならないはずの、三十代四十代の棋士達は、嫌な思いをせず、ちょっとだけいい生活をおくれればよい、と思っているようだ。大先輩達の残した財産にすがっているようにも見える。
若手棋士達も将棋界の有り様に無関心で、これまた世間と同様だ。文句は言うけど、何もする気はない。論より証拠、最近の将棋にそれがあらわれていて、内容に活力がない。関西のある棋士が「何もせえへんのは勝手やけど、そんな者に批判めいたことを言う資格はない」と呆れていた。ま、言うだけでも、言わないよりはましだとは思うけど。
 ともあれ、表面は平穏な将棋界だが、実は今が大変な時だったと、五年ぐらい後になって気がつくことだろう。
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対局日誌の出だしとすればめずらしく長い前置き。
長文の引用は良くないかな?…とも思ったが、どこかを省いて載せると、かえって失礼にあたると判断して、途中を削ったりしないことにした。

あたっている部分もかなりあるとは思うし、意識的に、周囲に注意を促すための表現法という部分もあるような気もする。
同じことを、多くの棋士の前で話されるよりは、ご自分のいつものスペースに書かれたほうが効果があるということで、書かれているのだろうと思う。

でも、五年ぐらい後に、河口先生に
「五年前に心配していたことは心配しすぎだった」と、
書いていただくような五年間にすることが
これだけ思いきったことを書かれている人への、お礼なのかもしれないと思った。

でも難しいかなぁ…
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