升田幸三実力制第四代名人

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奨励会三段の時に並べた升田幸三全集の中に、一局だけ再び並べてみたい将棋があって並べてみた。
昭和60年くらいの本で朝日新聞社から出た全集で全五巻。

画期的な新手や新構想をいくつも指されたのだが、その当時は理解されずに、何年も経ってから後の棋士(たとえば羽生五冠)にこんなに昔に、こういう発想で指されていたとはすごいと、いわれているほど。

昭和46年の大山先生との名人戦の中で、升田式石田流を何回も採用して、歴史に残ると言われる△3五銀のただ捨ての妙手は有名。
私は、かなり小さい時に、新聞の切り抜きというのを、はじめた。
その切りぬきの中にその名人戦の一局や、後に私が弟子入りすることになる、師匠の灘蓮照の名人戦挑戦や、A級順位戦棋譜も含まれていたのは、縁というものだろうと思う。

升田先生の実物を拝見したのは一度だけ。
棋士総会の休憩の合間に、大山先生と親しそうになにか話されていた。

もし、升田先生が現在のタイトル戦に登場する藤井システムや、中座流8五飛をご覧になられたら、どう思うだろうなぁ?
Copyright (c) 2001 Kenji Kanzaki