競争の原理

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棋士室にて、ある奨励会三段が月刊誌のあるコーナーの詰将棋を解いている。

私もその問題の前まで解いていたので、進行度がちょうど同じだ。

ふと思いついて、部屋の端と端で、私も同じ詰将棋を黙って解きはじめてみる。
いったい、どれくらい解くスピードが違うのだろうか?
もし詰んだとしても相手のヒントとなる会話はなしにして、黙って次の問題へ進むという約束をする。

それから約1時間後…。
ふたりとも、そのコーナーの最後の問題を解いている。
彼が少し用事があって席をはずす。
そこでうまい手順がひらめいてその問題が解けた。

三段と同じスピードで解くことができたと喜ぶべきなのか?
それとも、六段と同じぐらいのスピードで解くとはなかなかやるななのか?

その後、ひとりで別の問題を解いたのだが、どうも堂々めぐりでなかなか解けない。
やはり、競争相手がいるほうが、けっこうムキになって考えるので、早く解けるような気がする。
Copyright (c) 2001 Kenji Kanzaki