ネット上の公開控え室

夜中で3669
チャットルームというものがある。土曜日は、その特殊な部屋と、指導対局というものを結び付けてみた。
矛盾があることは、はじめてすぐ気がついた。

指導対局は、静かに見なければならない。
チャットというところは、黙っていては、しらけるので、みんなでわいわいがやがやとしなければならない。
土曜日は、その矛盾を感じながらのイベントだった。精神的にくたくたになった。下手の少年もそうだったろうし、ルーム内に入室した人もそうだったと思う。

この特殊な空間をどのように使えば
将棋と相性がいいのだろうか。

近いものが浮かんだ。
それは、東京なら桂の間。大阪なら棋士室。

そう控え室だ。タイトル戦の新聞社の送る情報について
棋士が数人でネット上で検討。
定員は10人ぐらいまでかな?
盤上で駒が動くぐらいのものはすぐネット上に設置できるだろう。

私たちは、局面を戻しそこなって歩の枚数を間違うという失敗をよくやる。
(さらにそれを感想戦で質問してしまうという愚も私はやったことある。)
そういうことは絶対なくなる。ボタンひとつで、現局面に戻るのだから・・。

家の中で、意見交換できるのだから、便利に違いない。
A級の最終日の時は、チャットルームを5室作り、そこを順番にまわって行く。
調べるほうも、それを観戦するほうも楽しくて勉強になる。
(入場料は高くなりそう??)

地方に住む棋士ほどメリットがある。終電も気にしなくていい。

タイトル戦の現場にいながら、東京、大阪の棋士と、意見交換できる。
大盤解説会などにゆくことのできない、地方、海外のファンでも
棋士の研究を見ることができる。
解説会のように、入場料を徴収できるほど、それが魅力あるものかどうかは
疑問。

なぜなら、ふだん我々が行っている研究も、活字になれば立派だが
録音テープで流すとなると、ちょっと内緒にしておきたい。
(ジョークや、痛烈な発言多い)

 でも、真面目な研究ならば、材料を少し料理したみたいになって
単なる棋譜の情報に付加価値が加わり、立派な商品になると思う。
決着のついていない勝負の途中経過を知らせる情報の価値が高いのは
スポーツ中継を見れば明らか。
 
 講座より、対局日誌のような内容(控え室の風景の描写)のほうが
面白いというファンもいるのだから、新しい可能性が、このへんに潜んでいるかもしれない。
神崎健二(c)