横行のような飛車

昨日4日は対局。村田四段戦。
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村田四段は、一回戦の南九段戦では、角の中合いの妙手で勝ちあがってきている。
(世界12月号参照)
中終盤のすれすれの戦いには力を発揮するタイプ。
お互いに居飛車党なのだが、前回対戦時の銀河戦予選では、意表の振飛車に出られて負けている。
今回は、こっちが後手になったこともあり四間飛車
端の位を取ったぶんだけ駒組みが遅れているので、急戦を警戒しているうちに△3二金という形になってしまった。
中飛車に振りなおして、五筋交換。
△5一飛と引いてゆっくり駒組みの予定だった。
だが、よく考えてみると、飛車を横に行く指し方もできる。
ただ、△3二に金が上がっているのでバランスが悪いが、ありそうな順。

中将棋には、「横行」(おうぎょう)という駒が香車の上のほうに並んでいる。
中将棋の場合、端歩を突いて、この「横行」をひとつだけ上に上がり、相手の駒を成るのを防ぐのが定跡とされている。
「横行の横きき、受けに強し」である。
結局、△7四飛▲6五銀△9四飛を決断。
私の飛車はしばらく「横行」に変身しておいてもらうことにする。

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進んで△4二角と3三の角を引いた局面。
5五の天王山は奪回したものの、あまりうまくいっていない。

角引きでは、△6五銀と出たい局面なのだが、▲8六金△4二角▲7五歩△5四飛▲6六歩△5六銀▲3八銀で、銀バサミにはまり、術中に陥る。

実戦中は、ここで、▲6六金の押さえ込みであまり自信がなかった。
だが、それには、△6四歩▲7五金△9四飛▲8五金△9二飛と、狭い所に、逃げ回って以下、後手から△7一玉△6三銀上△5二(または7二か8二飛)で逆に金のほうを目標にできるらしい。

このへんは、村田四段のほうが、深く読んでいた。

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ずうっと自信がなかったが、相手の壁の角金だけは相手にしない方針だけははっきりさせ、反対側は、少し駒損気味でも、強引に戦いにした。
だから、この局面でも、△1四桂▲3六飛△2七銀と無理やり飛車を追っかけて、飛車を取り、相手の悪手もあって勝ち。押さえ込まれる寸前だったが、なんとか勝ち。

Copyright (C) 2004 Kenji Kanzaki