指し手送信と携帯メール

夕方より連盟に竜王戦本戦 谷川王位―渡辺五段戦の観戦。
有吉先生はじめ練習将棋を指している棋士や、明日が奨励会ということもあって地方在住の奨励会員や、三段リーグのための関東の三段もいてにぎやか。

夕食休憩後、読売新聞大阪の山田博之記者も来られた。
<A Href=http://www.ryuoh.jp/ Target=_blank>竜王戦倶楽部</A>
への指し手連絡に、本日の観戦記者の圭記者が時々ファックスや電話で指し手を送られていた。
本業の観戦記を書くための観戦に、あまり集中でききないのではないかと思ったので、モニターテレビを見ながら指し手を記録用紙に書くのを手伝ったりする。

事務所のカギを開けたり閉めたりしながらファックスを使いに行くので、見るに見かねてか、山田記者が「私の携帯のメールで指し手を東京に送りましょうか?」
観戦記者は、本来の仕事の観戦のため、対局室に…。
その少し前には、記録係の記入ミスが原因で、間違った棋譜をファックスしてしまうミスもあったみたいだった。
棋士室にて、山田記者がメールで手を送りやすいように、山田記者の横で私は、記録用紙への指し手の記入を続けて、入力ミスのないように補佐しながらの検討。

結果は渡辺五段の勝ち。感想戦を聞く。
仕掛けの直後の手順がどうも不自然な手順だったので、対局者の形勢判断に興味があったのだが、聞いてみてだいたい納得。

終了後、会館前にて、「山田さんどうもごくろうさまでした」
たぶんこの大阪のひとりの記者の指し手送信の作業によって、観戦記者はじめ多くの人が恩恵を受けられたことと思う。
「これから社に戻って別の仕事もしなけりゃいかんのですよ」
そう言って、山田記者は社へと戻られていった。

こういう指し手送信の需要がある日には、記者室(棋士室)に指し手送信用のパソコンや、ファックスが置かれていないことが、多くの手間をかけているとつくづく感じる。
でも、パソコンや、ファックスを棋士室内に設置する方向だけでなく、携帯メールもなかなか有効な方法で何かの時に応用がききそう。

今まで電話、ファックスはじめ、いろんな方法で指し手を送ったり受け取ったりする作業は見てきた。軽くて場所を取らない携帯メールが活躍した日だった。

Copyright (C) 2004 Kenji Kanzaki<A Href=http://wakayama.cool.ne.jp/k2rokudan/ Target=_blank>HPはこちら</A>