大盤解説会 (上) 急所を的確にとらえきれない解説

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↑夜を超えずに この進みかたは信じられないくらい速い。

午後1時半より少し前に連盟に。
囲碁将棋ジャーナルを見ようとテレビをつけたら、加藤新本因坊が出られていて
番組か゜見事に終わりタイミング悪し…。
でも、ほかの人の解説を聞かずに、自分でできるだけ考えてから解説してみようとするほうがためになるかもしれない。

盤に局面を並べてて、いろいろと考えてみても、
本日の王位戦第1局の羽生王位と谷川九段のゴキゲン飛車の対局の解説はかなり荷が重いと正直感じた。

それだけ、形勢判断を正確にするということが難しく、双方ともに何を(駒得、玉の堅さ、駒の働き…etc…)主張しているのか、何を主張して戦っていくのが良いのかということが、とてもわかりにくかった。

だから、たぶん両対局者とも、今回の戦法を二人で選んだのだと思う。
自主的に開始時刻を早めて開始した解説会の最中も

「わからないことに踏み込まずに、様子を見て躊躇している棋士は多いが、今回の両対局者は、わからないからこそ、そこに足を踏み入れている」とか

「後手の谷川九段は、この将棋は99の馬を置いたまま、66に効かせて使わなければ先手の玉を寄せることはできないと判断できないと考えて、なかなか△8九馬と取らない。そして、その考え方を実行するための△6一香で、私ならば形で判断して、△6二銀と上がってしまっています」とか

羽生王位の敗因について聞かれても
「よくわからなくてすみません。と金攻めが厳しそうで羽生さんが有利に見えていたのですが、△6二飛と逃げて▲5三とに△3二飛と逃げるという手順で後手を引いて少し損をしたかもしれません。▲2一竜では、たとえば▲4九玉とかと、もっと息長く指す順はあったとは思います。」
と、どうも歯切れの悪い解説しかできなかった。

でも、谷川九段の最近の1000勝にまつわるエビソードを紹介したり、面白くて個性の強いお客さんと会話を楽しんだりいろいろと楽しく解説することはできた。

また、「今まで1000勝を達成した棋士は…」と言葉に詰まった時に
「大山、中原、加藤、米長、内藤、有吉です」とお客さんに教えていただいたり、鋭い質問が来た時にも、「ここに歩を合駒して、取れば王手成香取りがありますよ」とか助け舟を出していただいたりで、
とても助かったことにも大感謝。

Copyright (c) 2002 Kenji Kanzaki