将棋から離れた表現で伝えることの大事さ

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王将戦第2局のときのこと…。
記者や読者の方々にもなるべくわかりやすい表現方法はないかと考えたところ、ふと次のような言葉がおもいつく。
「この桂捨ては、桂馬を犠牲にして角をつかまえにいく狙いなので、いわば
エビでタイを釣るといったようなものです」

翌日の毎日新聞の記事には、そのたとえが活字になっていて、少しだけ嬉しかったりする。

半月ほど前。
観戦中の対局が、かたや大駒4枚、かたや小駒たくさんだったので
控室にいた椎名記者に
「1万円札を持っていても自動販売機が使えないみたいな状態みたいなので、少しだけ小銭いっぱいのほうが指せそうに見えます」

さっき夕刊の観戦記を読んでいたらその表現も少し観戦記中に使っていただいていた。
またしても、ほんの少しだけ嬉しかったりする。

難しいことを難しくふだん棋士うしの感想戦でしゃべっているように表現するのは簡単ではある。
でも、将棋の観戦記とか、あまり将棋のことについて詳しくはない人とかにアピールしたり、ドラマやマンガ等で広く多くの人に将棋の魅力を伝えるには、もっともっと、そういうたとえやことわざや慣用句のようなものを多用してもいいのかもしれないと感じた。

次に原稿書いたり、大盤解説したりする時にも、もっと使ってみようかとも思う。
Copyright (c) 2002 Kenji Kanzaki