便利さの裏側

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少し前になるが橋本崇載(たかのり)四段の王座戦自戦記(日本経済新聞)に興味深い一節があった。
「今の若手は序盤の流行の戦法の変化には詳しいが、私も含めて終盤の力が弱い…」
だったかな??

私が将棋界にはいったころに比べて、すぐに最新の棋譜が入手でき、流行や新手に対しても敏感に反応できる今のこの便利な時代なのに、若手は中終盤が弱いということを書いていた。
橋本四段は関西に三段でいたころはほかの三段に比べて終盤はなかなかしっかりしているという評判だっただけにこの自戦記は少し意外な気がした。
でも当たってはいるかもしれない。

やはり、A級やB級1組の順位戦を見るより、C級2組の順位戦のほうがはるかに終盤で逆転する率が多いのも事実とは思う。

たとえは少し違うかもしれないが、便利な乗り物が増えて、近いところに行くのでも歩かなくなり、足腰が弱い人が増えているというようなことが、将棋界でも起こっているのかもしれない。
それを悲しむべきか喜ぶべきかは、私は微妙な立場?
こう書いたら急に解きかけの詰将棋を解きたくなったので、今から少し続きを解いてみることにする。
Copyright (c) 2001 Kenji Kanzaki