二上達也先生の記録係をした時のこと

まだ私が中学生の時だったと思う。
北畠の旧関西本部、二上先生の順位戦の記録係を担当。
午前中、先生に依頼されて、薬局に買い物に。
たいしたことではなく、当時でも今でもよくある光景。
だが、昼食の注文の時に、ご自分が注文された、とんかつ定食を記録係にもと、先ほどのお礼にと注文してくれた。

旧連盟の三軒か四軒となりの「ふじや」のとんかつ定食は、中学生の奨励会員にとってはとんでもないご馳走。
(こんなに美味しい食べものだったのか!)とかみしめながら、とても美味しくいただいた。

買い物を依頼されて買いに行ったことと、とんかつ定食のことはいまだによく覚えてはいるが、その時の二上先生の相手が誰だったかとか、結果がどうだったかということは、まるで覚えていない。

まだ、棋界にはいりたての下っ端だったが、こんなにかっこいい先生が東京にはたくさんいるのだなぁと思った。
漢字一文字で表せば「粋」というイメージ。

先ほど、訃報記事を読んで、思い出したことをここに書かせていただきました。
二上達也先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。