竜王戦第3局、角換、先手からの変化

竜王戦第3局渡辺竜王対丸山九段1日目。角換腰掛銀。
山九段の先手で早い▲8八玉からいったん5八に上がった金を5九へ引いて▲6八飛と進む。

竜王戦第1局の丸山九段の先手番でも、丸山九段はあまり見慣れない手順で少し早めの▲8八玉の入城。でも結局類例の多い局面へと合流していた。
第1局の駒組みを三浦八段の解説で、リアル観戦していた時には、時間の使い方と手順がかなり不思議だった。
だが、この第3局の進行を見てちょっと納得。
山九段は、決まった局面まで決まった手順で進める以外のことも研究したり準備していたのだ。

角換わり腰掛銀は先後同形からの仕掛けも、▲2八角と打つ変化も先手がかなり分が良かったということもあって、先手から駒組みの順番をわざと変えたり、先手から変わったことを試みるということが少なかった。
ほとんどが後手番が工夫したり変化したり、特に郷田棋王はいくつもの試みを繰り返されて、試行錯誤の歴史だった。皆で切り開くというよりは、一人の勇敢な開拓者が開いた道を、「そんな道があったか」じゃあみんなでさらに改良を重ねながら通ってみよう。
そのように皆でマネするような印象も強い。

矢倉戦でも、終盤の入り口までドンドンと跳ばして進めて、そこからの終盤勝負というような棋譜も、時々見かける。そのような、いわゆるぴったりマークして競技場にはいってからのラストスパート勝負も見ごたえがある。

しかし、そういった勝負とはまた別の、折り返し地点の手前か折り返し地点直後に揺さぶりをかけるような、本局のような闘いも、また面白い。(8日16時)